プロジェクトについて

アラヤシキに向かって登りだす。
ひとつ峠を越えると風の音、川のせせらぎ、鳥の鳴き声が聞こえてくる。
最後の峠を越えるととたんに暮らしの音が聞こえてくる。
人がさけぶ声、エンジンの機械音、ヤギの鳴き声、時を知らせる板木の音。
そして水車が回る音が聞こえてくる。

ゆっくりと、アラヤシキの時間が過ぎてゆく。
アラヤシキには水車のひびきがよく似合いそうだ。

アラヤシキに水車をまわす会呼びかけ人
本橋成一(ポレポレタイムス社)

水車をまわします

長野県小谷村真木は、車の通わない山道を約1時間半歩いたところにある茅葺き屋根の立派な民家と田畑の広がる集落です。かつては分校もあり、100人近い人が暮らしていました。集団離村後の1976年より、「共働学舎」のメンバーが暮らしています。共働学舎ではかつての集落の住民に学び、「手作りの生活」を実践してきました。山や川からもたらされる環境のなかで、田をつくり、畑を耕し、ヤギや鶏を飼い、収穫を分かち合う、そして自然からなる日々の時間に身を置くことで、人間の暮らしに本来必要なものを体感できます。高度成長期以降、日本各地では電気、水道、ガスがどこでも使えるようになり、家や食べものはお金で買うものになりました。便利さと引き換えに優れた伝統技術はだんだんと引き継ぎ手をなくしています。

真木共働学舎では、自然と調和した技術、生活を未来につなげる第一歩として、水車製材所づくりを始めます。


プロジェクトへの寄付について

水車製材をはじめます

応援コメント

平松洋子 / エッセイスト

小谷村真木は、全体がひとつの生命体のようだった。うねうねと続く山道を歩き、ようやく茅葺き屋根をいただく真木共働学舎に着くと、生命体のおおもとに抱かれたような心地を覚えた。そこに民家補修を目指す水車製材所が計画されているという。痛快ではないか。水の力を利用して家を造るなんて、痛快極まりない。ノスタルジーでも退歩でもない、これは自然と人間が手を組んで前に進むための試金石でもある。だから、どうしても成功させなくちゃならない。水と人間と木が造った家をこの目で見上げてみたいのだ。

安藤邦廣 / 筑波大学名誉教授・(一社)日本茅葺き文化協会代表理事

南小谷の山中の真木の茅葺き民家集落では、田畑を耕し、里山の資源で自律的な生活を営むことが、今も続けられています。かつて日本の山間の民家は全てそうでした。今、真木集落だけにその営みが続けられているのです。茅葺きの茅も、柱、梁をつくる木材も、日々の暮らしを営む燃料の薪も全て周辺の里山の資源を用い、その暮らしを営むことが美しい里山の風景を持続させてきたのです。これから、その営みを受け継ぎ、さらに進化させるために、水車による製材を導入することは、そのための大きな礎となります。しばし利用が途絶えていた里山の木を用いて民家を再生することによって、里山は蘇ります。林を切り開いた後には、茅が生え、茅場も再生されます。茅葺き民家のまわす里山利用の循環が取り戻されるのです。今この水車製材を、ここに暮らす人、訪れる人、そしてその営みに賛同する全ての人々の協力によって成し遂げましょう。



プロジェクト・サポーター

NPO伝統木構造の会

伝統木構造の会は、伝統木構法を継承し、さらに発展させるための、職人と設計者、山林業や材木業、地場産業、そして伝統建築文化を愛する全ての人々の会です。

NPO新月の木国際協会

森林の成長サイクルより長く使える木材が得られれば、美しくて生命力のある森林を育成するゆとりができ、木や木材が醸し出す生命環境は、私たちと私たちの子孫の暮らしを潤します。そこでは健康に満ちた生活を築く森林経済の活性化が期待できると考えています。

岩越松男 / NPO伝統木構造の会・NPO新月の木国際協会

「共存できる社会」創設者宮嶋眞一郎氏の想いが詰まった場所、それが真木共働学舎だと思います。共働学舎と少なからずご縁があり眞一郎氏が目指した共存社会の実現を考えると、大和出の大改修工事の必要を訴えずにはいられませんでした。建築的にもすばらしい構造で建てられたものを寿命というにはあまりにももったいなく、現代ではこれと同等のものは建てられないだろうと思います。

この改修工事を単純にプロの手にゆだねるのではなく、建築さえも生活者の手で改修できるようサポートすることが私に与えられた使命だと思っています。建築家、大工職人それぞれエキスパートの方たちをマネージメントすることで、もう一度建築を人々の手に取り戻したいと思います。



真木共働学舎からのメッセージ

真木に暮らしていて感じるのは、この生活は支え合わないと成り立たないこと。田畑の仕事、家の仕事、荷揚げ、道普請、薪作り、動物の世話、子育て等、これらを一人ではできません。力のある人は重い薪を運べる、細かい作業のできる人は野菜の小さな種をまける、各々ができること、したいことをすることで全体として成り立っています。バランスが悪い時もありますが。

そして、ユニークな人の存在こそが共同生活を保っていること。まじめな話合いで、寝ている人がいる、その存在こそが、全体が分裂しないように繋いでいるのです。

今の日本社会の中に真木のような場所があることが、誰かの逃げ場、癒し場、希望になっています。これは訪れるお客さんが教えてくれる うことです。真木を必要とする人の為に、これからもあり続けたいのです。その為には家々の維持が必要で、製材できるようになることがその一歩なのです。真木のこれからの場づくりを、ぜひ応援してください。

真木共働学舎メンバー 一同

共働学舎とは

自由学園の教師だった宮嶋眞一郎により1974年に創設。社会で弱い立場にある人たちと共に自労自活・自主自立を基本として農業、酪農、工芸など、生産的勤労生活をしているグループです。

長野・東京・北海道に拠点があり、今の社会に肉体的・精神的な生きづらさを抱える人も、そうでない人も、だれもが固有に持つそれぞれの能力を尊重しあい暮らしています。


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